転職において、「多くの企業に応募すること」は必要か?

20代~30代前半の若手の方は特に、転職エージェントから「とにかく多くの求人に応募しましょう」と言われた方が
たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
新卒の就職活動のときには、社会人未経験の学生にとって「どんな会社が自分に合っているのか」を図るために多くの企業に
エントリーするのがスタンダードです。 

一方、転職活動においては、とにかく多くの求人に応募することは得策とは言えません。
前回のブログでも言及したように、転職においては「軸」の設定が不可欠で、かつ企業側が求める経験とご自身の
経験がマッチするかどうかという要素も入ってくるため、1
人が応募できる企業は2~3社ほど。
多くても5~6社程度でしょう。
その中の会社でも、経験・スキルがマッチしていても、その企業の社風・風土が個人の方の志向と合うかという、
ソフト面の条件が合わなければ、転職の成功に繋がるとは言えません。
色々な要素が重なり合い、条件が絞られてくるため、必然的に本当に応募できる企業、採用される企業は
限られてくるのです。

また、たくさんの企業に応募することは、それだけ時間やパワーを取られてしまうことにもなります。
転職活動をする方の中には、在職中で働きながら活動する方も多いかと思います。
会社員であれば、週5日、残業がなくても朝9時から17時、18時までは就業時間の方がほとんどでしょう。
面接では平日の日中の設定になることが多いため、有給休暇や半休を取って面接に臨まなければなりません。
そのような状況で、たくさんの企業の選考を受けることは現実的ではありませんし、たくさん受けたとしても、
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1社の選考に十分な準備ができず、「とりあえず面接を受ける」という状態になりかねません。
しっかりと準備していれば内定したかもしれない企業も、準備不足で不採用になる可能性もあり、企業側にとっても、
応募者側にとっても機会損失になってしまいます。
また、たくさんの会社を受けることで、現在の仕事をないがしろにしてしまう可能性もあります。
辞めようとしている会社ではありますが、今の給与はその会社から出ているので、自分の責任はしっかりと
果たさなければなりません。
働きながら転職活動をすることは、想像以上に気力や体力が必要です。
休みの日を使ったとしても、使える時間は限られるはずです。

上記の理由から、弊社では「たくさん受けてください」とは決して言いません。
「ご自身の軸に沿った会社を、しっかりと吟味して受けてください」とお伝えしています。
吟味して受けることで、事前準備が十分にでき、本来の実力を発揮できるようになるのではないでしょうか。

たくさんの会社の選考を受ける行為は、「数打てば当たる」というような乱暴なやり方になりかねません。
しっかりと、ご自身の考えを持って会社選びをしてくださいね。